先日、古本屋の本棚で「肉を食べる人は長生きする」（柴田博著）という本を見つけました。

ふ～ん、と思って見ていたら、何とその隣には「長生きしたけりゃ肉は食べるな」（若杉友子著）

という本があるではありませんか。

えっー？　いったいどちらを信じたらいいのでしょう。

 

柴田氏は医学博士だし、若杉氏は長年、食養の研究と実践をしてきた専門家らしいのです。

どちらも体と健康に関しては専門家なのに、どうしてこうも意見が違うのでしょうか。

これでは、専門家でない多くの人は、どちらを信じていいのか迷ってしまいますよね。

 

このような例は他にもたくさんあります。

近藤誠という医者の書いた「患者よ、ガンと闘うな」という本は有名ですが、

同じ医者でも永野正史の書いた、あきらかに近藤氏を意識したと思われる題名の本、

「患者よ、ガンと闘おう」というのもあるのです。

 

日本動脈硬化学会では、心臓病のリスクを減らすためにコレステロール値を低くするよう指導しますが、

日本脂質栄養学会では、コレステロールはある程度高い方が長生きすると、正反対の主張をしています。

 

これらは体や健康に関しての専門家同士の意見対立ですが、

同様の例は、政治や経済、法律などあらゆる分野で見出すことができます。

ああ、これでは専門家でない多くの人は、どのように判断したらいいのでしょうか。

 

そこで私は次のように考えています。

①一つの本の主張や学説だけを信じ、それを鵜呑みにしないこと。

②対立する意見や考えにも目を向け、先入観にとらわれず客観的に物事を判断すること。

③自分の体質や生活環境を考慮し、自分に合ったものを取り入れること。