ストレスががんの発生に影響することは前回書きましたが、

逆に、がんを治癒する方向にもストレスが関係することが分かってきました。

心の状態は体の回復にも大きな影響を持っているのです。

その一例が、以前イギリスで行われた研究にありますのでご紹介します。

乳がんの手術で乳房を切除してしまうことは、女性にとって大きなストレスになるでしょう。

でも、気持ちの持ちようは人それぞれ違うわけです。

イギリスでの実例ですが、乳房を切除した患者に手術後3か月の時点で面接したのです。

面接の時、乳房がなくなったことや、今後の病気との闘いに前向きな患者が20人いたそうです。

それとは反対に、落胆して絶望的な人が5人いました。

5年後の彼女たちの生存状態を調べたところ、

人生に前向きだった患者20人のうち18人が生存していたのに対し、

絶望的な気持ちを持っていた5人のうち4人は死んでしまったそうです。

このことは心の状態が免疫系に作用し、気持ちの持ち方ががん細胞への抵抗力に影響することを示しているのです。