私たちが病気になる原因の一つに環境因子があります。

環境因子とは生活する上での環境（食べ物や運動、生活習慣、大気汚染など）です。

このうち食べ物は、日々私たちの体に入り、体の構成と毎日の活動の元になるわけですから、

健康を左右する上でとても大事な要素（因子）となるのです。

 

さて、これら食べ物の中でも健康上重要な要因になるものがありますので、

順次取り上げてみたいと思います。1回目は食物中の塩分についてです。

塩分の多い食事は胃がんの発生に関与していると言われています。

その証拠はいくつもあります。

塩分の多い食事をしている東北地方の人たちの方が薄味の関西の人たちより胃がん患者は多いのです。

またアメリカへ移住した日本人の胃がんは減り、欧米型のがんである大腸がんや乳がんが増えたのです。

これも欧米型の食事の影響と考えられています。

 

面白いデータは他にもあります。アメリカでも今から100年ほど前は胃がんが第1位だったのです。

それが電気冷蔵庫の普及とともに、胃がんは急速に減っていったのです。

この点は日本も同じ道をたどっています。食物保存のための塩分使用量が減ったのが主な理由とされています。

また胃がんだけでなく、塩分過多の食事は高血圧や腎臓病とも関連しているので取りすぎには注意しましょう。