炎症というとちょっと抽象的な概念になります。

その原因はとても多く、またさまざまだからです。

例えば火傷も皮膚の炎症ですし、そこまでいかなくても、

海水浴などで日光を浴びすぎ、皮膚が赤く焼けるのも炎症です。

また、風邪でのどが痛くなるのもウィルスや細菌が原因の炎症ですし、

五十肩などの関節炎も、関節内の炎症です。

 

さて、火傷や風邪、五十肩などを見れば明らかなように、炎症はその症状の直接の原因となりますが、

実はがんの原因にもなりうるのです。

炎症には急性炎症と慢性炎症があります。

発赤や発熱、腫れなどがすぐ現れ、またすぐ治るものを急性炎症と言います。

それとは反対に、症状が長期間続くものを慢性炎症と呼んでいますが、

がんの発生に関係するのは慢性炎症の方です。

日常的に過度に日光を浴びることや寒い地方で慢性的にカイロなどを肌身につけ続けることも

皮膚がんの原因になるのです。

これらのメカニズムは、がんが発生する以前に紫外線や熱などにより、

その部分の皮膚が傷んで、長期間炎症していたのが原因と考えられています。