現代はストレス社会と言われています。

社会の構造がとても複雑になっているため、色々な面でストレスが発生しやすいからでしょう。

「病は気から」という言葉があるように、精神と肉体は密接な関係にあるため、

心の負の状態が病気の主な原因ともなるのです。

私たちの免疫系の一つであるNK（ナチュラルキラー）細胞は、

体内に侵入した病原菌やがん細胞を破壊しますが、

ストレス下にある人はこの細胞が減少し、またその活性も低下するのです。

ストレスには飢餓や睡眠不足、怪我などの生物的なものや、

寒冷や酷暑、騒音などの環境的なものの他、

社会生活上の人間関係や経済的な不安などの心理的なものがあります。

これらのストレスを受け続けると、ホルモンや脳の神経伝達物質のバランスが崩れ、

ホメオスターシス（体の恒常性）に異常をきたすのです。

またストレスは自律神経の交感神経を高めるため、血圧が上昇し、心臓の鼓動も早めてしまいます。

逆に、胃や腸などの消化管の働きを抑えるので便通に異常が出てしまうのです。

私たちがストレスを受け続けると、コルチゾールというストレスホルモンが分泌され、

ストレスに対する抵抗力をつけるのですが、

必要量を越えて長期間コルチゾールにさらされ続けると、

脳の神経細胞に異常が発生し、記憶障害が起こると言われています。