病気と遺伝には深い関係がありますが、そのほとんどは病気そのものが遺伝するわけではありません。

多くの場合、その病気になりやすい体質が遺伝するのです。

高血圧をはじめ糖尿病、がん、緑内障や白内障、心疾患、脳血管障害、認知症に至るまで、

ほとんどの病気に当てはまるでしょう。

しかし中には、病気そのものが遺伝する場合があるのです。

その代表例が血友病でしょう。

血友病とは出血した血がなかなか止まらなくなる病気ですが、

実は血友病の患者は圧倒的に男性が多いのです。

その理由を説明しますとーーー

血友病の遺伝子は性染色体のXに乗っています。

性を決定する染色体にはXとYがあります。

Xが二つそろえば（XX）女性に、Yが入れば（XY）男性になるわけです。

血友病の遺伝子はXに乗っていますが、もう一つのXが正常ならば発症しません。

しかし男性はXが一つですので、このXに血友病の遺伝子が乗っていれば発症してしまうのです。

つまり、生まれた時からこの病気を持っているわけで、これを遺伝病と言います。

遺伝病には他に、ダウン症やハンチントン舞踏病、高コレステロール血症などがあります。