整体やマッサージなどでは、体中にあるツボにアプローチするのが手技の普通のやり方です。

ただしツボというのは目に見えないので、そこを正確にとらえることは難しく、

施術者の技術の見せ所にもなるわけです。

さて、ツボを正確に把握するにはどうしたらよいのでしょうか。

ツボの位置を示す文には、例としてこのようなものがあります。

たとえば腕にある曲池というツボの位置は「肘窩横紋の外端、上腕骨橈側上顆の外縁」です。

また脚にある血海というツボは「膝蓋骨内上角の上方2寸5分、大腿前脛骨側」となります。

この文を読んだだけで、正確にツボの位置を特定できるのでしょうか。

ツボの位置を把握する方法として、同身寸法と骨度法というのがあります。

同身寸法は1寸を親指の幅、2寸を手の中側3本指の幅、3寸を親指を除いた4本指の幅として位置取りするやり方です。

しかし人それぞれで、指の細い人も太い人もいるわけで、このやり方だけで正確に位置取りできるとは思えません。

そこで骨度法というやり方が出てくるわけです。

骨度法はあらかじめ体の部分の長さを決めてしまうというやり方で、

たとえば両乳首の間は8寸、背中の肩甲骨の間は6寸、足の幅は4寸5分というようにです。

しかしこれも人それぞれで、プロレスラーのように大きい人もいれば、華奢な女性もいるわけです。

だから骨度法の場合は、その人の体の大きさに合わせて1寸の長さも違ってくるのです。

実際の施術では、この同身寸法と骨度法を併用して行なうわけですが、

なによりも整体やマッサージでは、経験が大きくものを言うようになります。

多くの人の体を触っていれば、同身寸法や骨度法に頼ることなく、

自然とツボの位置に指が行くようになるのです。

昔から目の不自由な人の職業としてマッサージ師がありますが、

目が見えなくても、体を触るだけで、ツボの位置を正確に把握できるのです。

何事もそうですが、やはり経験というのは大事なのですね。