陰陽については今までこの欄で何回か取り上げてきましたので、

今回は五行説について、もっと踏み込んでみたいと思います。

五行説は前回お話したように、世の中の事象を木、火、土、金、水に分けて、

その関係性で世の中の成り立ちを説明しようとするものです。

ちなみにこの場合の金はゴールドのことではなく、金属全般のことです。

その関係には相生の関係と相克の関係があります。

この二つの関係性は相反するものです。

相生の関係とは母と子の関係で、あるものが他の何かを生み出す関係です。

五行説の場合、木が火を、火が土を、土が金を、金が水を、水が木を生み出すとされています。

一方相克の関係は、あるものが他のものを剋する（やっつける）という関係で、

木が土を、土が水を、水が火を、火が金を、金が木を剋するわけです。

そして世に中のあらゆるものを、この五つに当てはめて考えていくのです。

たとえば体内の五臓では、木が肝、火が心、土が脾、金が肺、水が腎になり、

五腑では、木が胆、火が小腸、土が胃、金が大腸、水が膀胱となります。

その他、五色では木が青、火が赤、土が黄、金が白、水が黒となり、

感情を表す五志では木が怒、火が笑や喜、土が思や憂、金が悲、水が恐や驚となります。

これらはほんの一例で、数え上げたらキリがないほどです。