気功サロン推薦図書（13）
　　「心の科学」　エリザベス・ロイド・メイヤー著

　著者のエリザベス・ロイド・メイヤーはカリフォルニア大学医療センターで教鞭をとる女性心理学者で、精神分析医でもあります。つまり、一般的に言って科学者と言われる人物なのです。その科学者が書いたユニークな本が本書「心の科学」です。
　何がユニークなのか？　それは科学者でありながら超心理学の分野に首を突っ込んだからです。
　超心理学とはーーー世の中には常識では考えられない、言い換えれば科学での解明はとても困難な不思議な現象や出来事を研究する学問です。
　遠隔透視とかテレパシー、虫の知らせ、予知夢、念力などの超能力、霊との交信、さまざまな超常現象などを研究するわけです。
　普通科学者と言われる人は、このような分野に関心をよせることはあまりありません。なにかオカルティックなことを研究しているヘンな人、と思われかねないからです。

　さて、著者が超心理学の研究を始めたキッカケが実に面白いのです。それは１９９５年１２月のこと。彼女の娘はハープ奏者なのですが、クリスマスの演奏会場で彼女のハープが盗まれてしまったのです。そのハープを取り戻すために友人の助言に従い、有名なダウザーに依頼したのが始まりでした。
　ダウザーとはダウジングを専門にやる人のことです。ダウジングとは針金などで水脈を探したりすることで有名ですが、振り子を使って、探し物をしたり、人生の選択に迷っている時など、振り子の振れ方で適切な答えを見つける、というのです。
　う～ん、これだけ聞けば占いの一種のようで非科学的という誹りは免れませんが、しかし、彼女のハープはこのダウジングでそのありかが分かり、取り戻すことができたのです。
　私は気功を仕事にしていますが、遠隔気功などはまだまだ科学的にはよく分かっていません。世の中には不思議な現象が数多くありますが、科学はまだその解明に追いついていないのではないでしょうか。
　現代科学では説明がつかないから、そんなものはインチキとかデタラメと言うのではなく、本当の科学的態度というのは、本書の著者のように、真摯にまじめに起こった出来事を観察、研究する態度ではないでしょうか。
　本書は未来予知やテレパシー、超能力、祈りの力、霊的な超常現象などのテーマで科学的（客観的）に論じている名著です。