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気功サロン推薦図書(12)

気功サロン推薦図書(12)

2023/02/26

気功サロン推薦図書(12)
  「ミュータント・メッセージ」 マルロ・モーガン著

 本書が日本で出版されたのは1995年ですから、今から30年近く前になります。その当時はベストセラーだったようです。私も本書を読み、感動とともに深く考えさせられた1冊でした。
 「ミュータント・メッセージ」はマルロ・モーガンというアメリカ人女性が、彼女の仕事のプロジェクトの関係で、オーストラリア原住民のアボリジニの一族から招待を受けたことに始まります。
 本書の内容は、アボリジニたちとオーストラリア大陸を3か月かけて横断するという体験記なのです。しかも徒歩ですから、普通の人ならたぶん3日で死んでしまうことでしょう。なぜなら、オーストラリアの中央部は広大な砂漠だからです。
 それを食料や水を持たずに(つまり現地調達で)旅をするというのは、アボリジニたちの能力と知恵、知識があったからです。
 実際その旅は驚きの連続でした。なんとアボリジニたちは超能力を使うというのです。生きていくためには水が必要ですが、彼らは水のありかが分かるのです。地面に耳を傾け、風の方向などから、この地面の下に水脈があると分かるのです。そして地面に穴を掘って、葦の長い茎を突っ込み、ストローのようにして水を吸い上げるというのです。
 また今日はどんな食料にありつけるか、という未来予知もできるそうです。彼らはブーメランで鳥を取ったり、湿った土の中から蛙を捕まえたり、とにかく旅の間に食べたものは、木の実や草、果物の他、トカゲ、昆虫、蛙、ヘビ、シロアリ、ワニ、カンガルーなど豊富な食糧でした。
 また彼らはテレパシーで仲間どおし交信するというのです。ある青年が先に行ってカンガルーを仕留めたそうですが、重たいのでシッポを切り落としてもいいか、とテレパシーで送ってきたそうです。OKの返事をまたテレパシーで返したというのです。
 他にも驚くことがあり、崖から落ちた青年は膝からくるぶしの間を複雑骨折し、太い骨が皮膚から5センチほど飛び出していたのですが、女性たちの月経血と薬草を混ぜたものを傷口にぬり、呪術をすることで、翌日にはこの青年は足を引きずることもなく、私たちと一緒に行動できたというのです。
 包帯も副木も松葉杖も絆創膏もないのに、どうしてこのような事が起こるのか、西洋医学しか知らない著者は驚きの連続だったのです。

 本書を読んで、文明とは何かを考えてしまいました。近年、テクノロジーの大幅な進歩により、私たちの生活はとても便利になりました。しかしそれに伴い、何か大切なものを置き忘れてきたのではないでしょうか。
 実は私は、大昔の人は皆、超能力者だったのではないかと思っています。たとえば天気予報ですが、現代は人工衛星の情報から、明日の天気、いや1週間先の天気までかなり正確に予想できます。しかし人工衛星や他の優れた機器のない大昔の人も、月の様子や風の向き、鳥や虫の鳴き声などから、かなり正確な予想ができたのではないか、と私は思っています。
 現代人は機器に頼ることで、本来あった能力を使わなくなったため退化してしまったのではないでしょうか。

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