気功サロン推薦図書（23）　
　　「思考は現実化する」　ナポレオン・ヒル著

　成功哲学というジャンルがあります。本屋さんに行けば、「あなたの望みはこうすれば叶えられる」といったタイトルの本が並んでいます。
　ナポレオン・ヒルはその代表的な人物と言えるでしょう。
　私たちの人生では、考えていること（思考）が現実のものとなるのです。信念の力を信じなさい、と彼は主張します。
　よく言われる例ですが、コップに水が半分入っている時、半分も入っていると考えるか、半分しか入ってないと考えるかで、その後の行動は違ってくるはずです。
　だから、現実をどう考える（思考する）かが大事になってくるのです。

　次に話すことはその良い例です。（これは私が創作した物語です）

　AさんとBさんは同年代（70代半ば）の女性です。彼女たちの境遇は似ていて、今は一人暮らし。お隣どおしで二階建ての一軒家に住んでいます。
　この地域は坂の上にあり、駅から歩いて登ってくるのに難儀しています。彼女たちの足腰がだんだん弱ってきていたからです。
　2階への階段を上るのも大変だし、このままでは車イスになってしまうかも知れないーーーこの認識はAさんもBさんも同じでした。
　しかし思考（どう考えたか）が違ったのです。
　Aさんはこう考えました。将来、車イスになったら、坂の上のこの家には住めない。だからそうなる前に駅近くのマンションに引っ越そう。そしてエレベーター付きのマンションに引っ越してしまいました。
　一方、Bさんはこう考えました。このままでは車イスになってしまう。そうなったらこの家には住めない。だからそうならないように足腰を鍛えよう。幸いこの坂は鍛えるのに都合が良い。上り下りはつらいけど、がんばってみよう。

　さて、10年後どうなっていたでしょうか。
　便利なマンションに引っ越したAさんは、危惧したとおり車イス生活になってしまいました。そしてこう思ったのです。「やはり私の予想は正しかった。車イスになる前に、このマンションに引っ越したお蔭で、それほどの不便は感じないですむ。よかった、よかった」と。
　それに対してBさんは、足腰を鍛えたお蔭で、今も元気に自分の脚で歩いています。そしてこう思いました。「この家に住み続けるために足腰を鍛えて良かった。お陰様で今もこうして元気でいられる」と。

　AさんもBさんも「車イスになってしまうかもしれない」という認識は同じでしたが、それからの思考が違ったわけです。そして二人とも、その思考どおりに現実化したのです。