気功サロン推薦図書（26）
　　「植物は知性をもっている」　ステファノ・マンクーゾ、アレッサンドラ・ヴィオラ共著
　　「植物はそこまで知っている」　ダニエル・チャモヴィッツ著

　普通私たちは、植物に対してどんな感じを持っているでしょうか。
　進化の樹木の比較的最初のほうで、動物と植物は枝分かれしました。
　ほとんどの動物には、脳も神経も血液もあります。特に私たち人間に近い哺乳動物は、本能の他に知性や感情も持っていると思っています。
　しかし、植物の生態は動物とはだいぶ違います。植物には脳も神経も血液もありません。だから何の感情や感覚もなく、ただ遺伝子の命令どおりに生きているだけ、と思ってはいないでしょうか。
　本書「植物は知性をもっている」と「植物はそこまで知っている」を読めば、その常識は覆ってしまうでしょう。
　上記2冊の内容はほぼ同じで、植物にも視覚や聴覚、触覚などの感覚があり、また知性も持っているというのです。
　たとえば植物の根は、障害物を避けて、栄養分のある方向に伸びていきます。また屈光性といって、植物は光の方向に向くという性質を持っています。
　植物の知性を考えるうえで、とても参考になるのは食虫植物です。ハエトリグサという食虫植物は2枚貝のような葉をもっていて、そこにハエや甲虫がとまると、10分の1秒という速さで葉を閉じ、その虫を消化液で溶かして栄養分を吸収するのです。そして獲物を誘惑するために、甘い蜜の香を分泌するというのです。
　う～ん、ここまでくると植物も何らかの意識を持っていると思いたくなります。たぶん植物は動物のような脳と神経によるメカニズムではなく、別の機序によって、感覚や感情、知性、意識などを持っているのかも知れません。
　このように考えますと、植物に対する見方が違ってくるのではないでしょうか。建物を建てるのに樹木が邪魔だからと平気で切り落としたりしますが、植物は声を出さないだけで、ちゃんと精一杯生きているのです。