今までの人類の歴史は、細菌やウィルスによる感染症との闘いでした。

戦争や事故死などの突然死は除いて、病気による死因の第一位はずっと、

ペストや赤痢、コレラ、結核などの感染症でした。

現在は、それらの病原菌をやっつける抗菌剤が開発されたお蔭で、

開発途上国は別として、感染症で死亡する人はずっと減ってきたのです。

しかし病原菌、特にウィルスはとても変異が早いので、

せっかく開発された薬に対しても、それが効かなくなるよう変異してしまうのです。

すると人間は、その変異したウィルスに効くような薬を開発する。まさにいたちごっこですね。

このようなウィルスの変異は、いたちごっこに留まらない大問題をかかえているのです。

たとえば今までブタやニワトリにしか感染しなかったものが、その原因となるウィルスが変異することで、

今度は人に感染するようになってしまうことがあるのです。

これは今まで病気にならなかったものが病気になってしまうわけで、大問題なのです。

先進国においては死因の第一位、第二位はがんや心臓病に譲りましたが、

感染症自体を撲滅するのは、とても難しいのです。