前回このコーナーで、アレルギー疾患に関して衛生仮説のことをお話しました。

世の中が清潔になり過ぎるとアレルギーが増え、不衛生だと感染症が増えるのです。

だから健康のためには清潔になり過ぎてもいけないし、不衛生でも問題が起こる。

要はそのバランスが大切なわけです。

このことは他のさまざまな面でも言えることです。

例えば食事。野菜が体に良いからといって、野菜ばかりでは健康上問題が起きます。

体を構成しているのはタンパク質なので、肉や魚、大豆製品等をバランスよく採る必要があるからです。

健康のためには運動が大切なのは言うまでもありません。

骨や筋肉、心肺機能を高めるだけでなく、認知症予防にも効果があるからです。

しかし年齢を考えず、むやみやたらに運動することはお勧めできません。

運動すると細胞を傷つける活性酸素が増えるのですが、歳とともに活性酸素の毒を消去する酵素が減っているからです。

だから年相応のバランスのとれた運動が大切なのです。

睡眠も健康にとっては大変重要な要素ですが、長ければいいというものではないようです。

読売新聞の行なった3万人による調査では、7時間睡眠が一番長生きという結果が出ています。

「過ぎたるは及ばざるごとし」の言葉通り、バランスを常に考えることが大切でしょう。