現代は自然科学の躍進がめざましく、さまざまな分野でいろいろな事が分かってきました。

ただ、未だに謎である問題もいくつかあります。

私は、生命に関し、未だに二つの大きな謎が残っていると思っています。

一つは、この地球上に生命と言われるものが、いつ、どのように生まれたのか、ということ。

もう一つは、これらの生命が死んだ後、どうなってしまうのか、ということです。

後者に関しては、別の言い方をすれば、「あの世はあるのか？」、「魂は存在するのか？」という疑問にもなるわけで、

これらは医学や生物学、物理学などの自然科学だけでなく、哲学や心理学、宗教などにも影響する大問題でもあるわけです。

さて後者の問題は先にゆずるとして、今回は前者の疑問について考えてみたいと思います。

私たちの体を分割する方向に考えると、

まず人体→系統（消化器とか循環器とか泌尿器とかの働きの分類）→組織（骨とか筋肉、内臓とかの分類）→細胞→分子→原子というふうに細かくなります。

原子は別の角度から言うと、元素になり、人体だけでなく、さまざまな物質はこの元素の集まりです。

つまりそこに命が宿っているかどうかにかかわらず、いろいろな元素で物質は構成されています。

だから元素の集まりを見ただけでは、生物なのか無生物なのか分からないのです。

先の分割方向を逆にたどると、

原子→分子→細胞→組織→系統→人体となるわけですが、不思議なことに細胞が生まれた時に命が宿るのです。

段階を上がった時に新たな性質が加わることを創発と言います。

つまり、分子から細胞ができた時に創発されて生命が生まれたのです。

でもいつ？、どうやって？がよく分からないのです。

この続きは次回のこの欄で述べてみたいと思います。