健康と仕事

長生きは多くの人が望むところでしょうが、

ただ心臓が長時間動いていればいい、ということではないでしょう。

大切なのは、その中味のはずです。

日本人の場合、平均寿命は男女とも伸びていますが、

より大切なのは健康寿命のほうでしょう。

健康寿命と平均寿命の差が男性で9年ちょっと、女性で12年近くもあるというのは異常としか言えません。

さて、私たちは若い頃より仕事をしてきました。

家事も仕事と考えれば、特別な人を除いて、ほとんどの人が仕事をしてきているでしょう。

だから仕事が健康に大きく関与しているのは間違いありません。

仕事と健康の関係においては、仕事が健康にマイナスにもプラスにも働くのです。

仕事のマイナス面では、ストレスを抱える人が多いということです。

ストレスが病気の大きな原因になることは、精神神経免疫学によって科学的に証明されています。

いわゆる「病は気から」ということです。

だから健康を第一に考えれば、ストレスがたまる仕事（職場）は見直したほうが賢明でしょう。

次に健康にとっての仕事のプラス面を考えてみましょう。

停年退職し仕事をやめた人が急にボケたり、健康を害う例はいくつもあります。

このようなケースは、他に趣味もなく仕事一筋に生きてきた人に多いようです。

このような人は、人との付き合いは仕事上だけであるため、退職したとたんに他人とのつながりが切れてしまうのです。

また仕事に生きがいややりがいを持っていた人ほど、それを失った時の喪失感は大きいでしょう。

人とのつながりがなくなった孤独感は病気を誘因する原因となるのです。

したがって健康で長生きするためには、体が動くうちは退職後も他の仕事を探したり、

ボランティア活動に参加したり、何か新たな趣味を見つける努力をするべきです。

仕事をしなくても充分食べていけるだけの余裕のある人でも仕事を続けている場合があります。

気功サロンのマスターコースメンバーで、現在もスナックを経営している女性がいます。

彼女はすでに86歳ですが、とてもそのようには見えません。

仕事を続けることが若さを保つ秘訣であり、健康にも良いと知っているからです。