気功サロン推薦図書（2）
　
　「サイコパス」、「不倫」
　　　　　中野信子著

　最近、中野信子著の「サイコパス」と「不倫」を続けて読みました。
　彼女は脳科学者だけあって、これらの問題を脳内の物質の作用から解き明かしています。
　サイコパスは人口の約1％いるそうです。サイコパスというと残忍な殺人鬼をイメージしてしまいますが、この特徴を良い方向にも活かせるようです。
　ある程度の犠牲を払っても重大な決断を迫られる政治的指導者や会社経営者などは、このサイコパスの要素が必要なのかも知れません。
　またサイコパスの特徴は非常に合理的な気質にあるようで、日本では織田信長がサイコパスだったのではないかと私は思っています。
　サイコパスは人の感情に共感できない気質があります。たとえば、犬が車にひかれて足を怪我し、ヨタヨタと歩いていたら、それが野良犬だったとしても「ああ、かわいそう。早く病院に連れて行かなければ」と普通の人なら思うでしょう。しかしサイコパスにはそのような共感性はないのです。だから残忍な殺人もできるし、また情に流されないで重大な決断もできるわけです。

　次に「不倫」ですが、不倫は一夫一婦制の現代の婚姻関係をこわすものとしてバッシングの対象となりますが、著者によると人類は元々、一夫一婦制には向いていないとのことです。
　人類の長い歴史の中では、一夫一婦、一夫多妻、一妻多夫、乱交など、いろいろな形態がありました。その時々の繁殖に適した婚姻形態が採用されてきたわけです。
　脳科学者である著者によると、不倫に走りやすい人とそうでない人がいるそうです。それは脳内のさまざまな神経伝達物質のセロトニンやドーパミン、オキシトシン、バソプレッシンなどを有効に活用する遺伝子によるのだそうです。つまり不倫遺伝子があるのだと・・・。
　また、たとえば芸能人が不倫したという報道があると、自分には関係ない（何の不利益も被らない）にもかかわらず、なぜ執拗にバッシングするのかという理由も述べられています。
　今の日本の喫緊の問題は少子化ですが、それを解決するためには、財政的な援助だけでなく、婚外子をはじめ同性婚などいろいろな形態（生き方）を認めることが大切だと著者は力説しているのです。