気功サロン推薦図書（47）
　　「人体の不思議」　半田節子著

　私は現在、東京の四ツ谷で外気功の教室を開いています。気功の仕事に携わることになって、すでに20年以上が経ちました。
　気功は、気というエネルギーが命の素になっているという理論のもと、健康や病気治療を目的にした東洋医学（中国医学）の施術法ですが、私が長年教室を開き、重視した点は、東洋医学的側面だけから人体をみるのではない、ということです。
　中医学は中国4000年の歴史があるといっても、現代医学（西洋医学）から見れば間違っているところも数多くあるわけです。
　だから常に西洋医学を基準にして、東洋医学の知識を盛り込むよう努めています。
　この西洋医学の観点から人体を勉強しようとする人にとって、本書はとても分かりやすく、人体の驚異について面白く興味のつきない内容が満載の本です。
　人体は小宇宙と言われますが、本書を読めば納得がいくでしょう。本書では人体のそれぞれの分野について、そのメカニズムの不思議（ミステリー）について論じています。各章は「頭脳と心のミステリー」、「五感のミステリー」、「心臓のミステリー」、「血液・血管のミステリー」、「胃・腸のミステリー」、「肝臓のミステリー」、「腎臓のミステリー」、「骨と筋肉のミステリー」、「免疫機構のミステリー」、「性のミステリー」となっています。
　各分野で驚きなのは色々ですが、たとえば一人の人の血管の長さはどれぐらいになるでしょうか？答えは10万キロにもなるというのです。もちろん動脈や静脈だけでなく、何ミクロンという細い毛細血管まで1本につなげると10万キロ、これは地球を二回り以上する長さなのです。驚異ですね。
　またガンはいろいろな臓器や皮膚、骨にまでできるが、心臓ガンというのは聞いたことがありませんね。実は心臓はガンにはならないのです。ガンは細胞分裂する時、そのメカニズムに狂いが生じてできるのですが、心臓の細胞は一度生まれたらそのままで分裂しないのです。だからガンにならない。
　う～ん、まだまだ人体にはたくさんのミステリーがあるのですが、きりがないので、このへんでやめておきます。興味のある方は本書を読んでください。