前回このコーナーで、私は睡眠の役目について書きました。

生物は皆、体内時計を持っていて、その時計によって生活リズムを刻んでいるのです。

そして人類はじめほとんどの動物は、日の光によって体内時計をコントロールしています。

日の出とともに昼間活動し、日の入りとともに夜休息（睡眠）します。

この生活パターンの動物を昼行性動物と言います。

 

しかし動物の中には、この逆のパターンで進化したものがいるのです。

夜行性動物と言われるもので、ミドリニシキヘビとかアライグマ、エゾフクロウ、エゾモモンガなどです。

これらの動物は、天敵の多い昼間は巣の中でじっと睡眠し、

安全な夜に活動できるよう進化したと考えられています。

だから彼らは長い年月をかけて、彼ら独特の体内時計を持つように進化したわけです。

 

このことを踏まえた上で最近私が懸念することがあります。

それは日本だけでなく世界中の都市圏が眠らない街に変化しているという事実です。

24時間のコンビニエンスストアをはじめ、病院や介護現場、昼夜交代制の工場など、

まるで夜行性動物と同じような昼夜逆転の生活をしている人が多く存在しているのです。

本来、昼行性動物である人類の生活リズムを破壊するような生活を続けていると、

睡眠の役目に狂いが生じ、体を壊すのは必然だと私は懸念しているのです。